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教育とは親心…(結婚式二次会でのお話)

つい先週、友人の結婚式に連なるため埼玉の大宮まで行ってきました。



同じテーブルの人たちはほぼお互い「はじめまして」状態だったのですが、新郎が社会人向けの教育を仕事にしている人だけあって、わたし含めた新郎の友人たちはみんな教育系の仕事をしている人たちでした。しかもテーブルのメンツ6人が、ガチ勢の顔ぶれで…

…東大出身で私立中学校を設立しようとしている年配の方、京大出身のプログラマーで休日はボランティアで勉強を教えているわたしと同年代の方、九大出身で移民の学習環境について研究している研究者の方、その配偶者で、九大出身のオランダ人で英語の翻訳をしている方、神戸大出身の、新郎と同じ社会人向け教育コンテンツを作っている方、慶應出身で個別指導塾の教室長をしている方(わたしです…)、以上6人でして、肩身の狭いというか、狭く感じる必要はないとは思うのですが、緊張しましたね。

「これは、なんか、難しい話題でも話さないといけないのかな?」みたいな。

気軽な気持ちで来たのに、まいったなぁー…


(わたし以外みんな国立出身でした。わたしが自分の大学を名乗ったとき、京大のプログラマーに、「あぁ、なんかそんな感じしますね(笑)」と言われたのですが…そんな感じとは…?なんかヘラヘラしているように見えたのでしょうか…?慶應は意外と中身が真面目な人多いんですけどね。)


まぁでもみなさん良い大人で良い人たちで、2次会・3次会までいってたくさん話しました。



話は当たり障りのない雑談から、教育の話に移っていき、例のおしゃべりプログラマーが、「今後の教育業界についてどう思います?」とぶっこんできました。そんな微妙な匙加減の、大きな話題、どこまで真面目に語ればよいのか…このメンツで。酔いに任せて軽く何か言っとけばいいのかどうか、判断のつきにくい、厄介な話題でした。皆さん教育系の人ばっかりだけど、立ち位置がそれぞれ違うしなぁ…


わたしが、一応その中で唯一の塾業界だったため、塾業界代表みたいな感じになり、話したことは、


教育は親心だと思うんで、教育業界も親心を理解しないとうまくやっていけないんじゃないですかねー」という話でした。


まぁ、ちょっと難しい言い方をすれば、「経済的効率性と親心って、まったく別物じゃない?」という。

子供の教育を安く済ましちゃおう、なんて考え方は、親はしないはず!ということをさかんに主張したのです。


食事とか服なんかはスシローやGUで良いかもしれません。でも塾に通わせたいと思ったとき、安さや新しさだけが売りのチェーン店を選ぶでしょうか?多少お金はかかっても良いところ選びたい、というのが親心かと。子供の教育までも、安く済ませちゃおうという人は、あんまりいないんじゃないかな…わたしも一児の父として、そう思うのです。


今後、AIふくめて、安さ新しさを売りにした教育サービスも、加速するかもしれません。けれど、親心の理解をすっ飛ばしたそれって、ホントにうまくいくのかなー?という。


例えば、個別指導塾と称して生徒それぞれにiPadを渡して映像見させるだけの、価格の安い「なんちゃって個別指導塾」なんか、今もたくさんありますが(そして短期間で潰れていってますが)、その進化系で、AIが講師っぽくひとりひとりに教えてくれる個別指導塾も、将来できるのかもしれません。コストが低くオペレーションできるので、授業料も安いでしょう。話題性もありますしね。


そうなると今の講師たちは淘汰される?今までの職人的な個別指導塾はなくなる?


―そんなことはないと思いますね。


効率よく経営できる塾を模索しているのかもしれませんが、その経済的効率性の考え方で、ホントに生徒集まるのかな?子供の教育って、安いし話題性があるという理由で選ばれるのでしょうか?選ばれたとしても、そのサービスに満足して通い続ける人がどのくらいいるんでしょう…?

親心って、そんな安易ではないと思います。

安ければ良いんじゃなくて、教育についてだけは、良いものにはちゃんとお金を出したいと考えているご家庭が多いと思うんですよね。

価格を下げるほど需要が上がるみたいな、他の業種の当たり前の経済学は、教育業界ではまかり通らないんじゃないかなーという。

と、まぁ、こんな感じの内容を、まとまりなく開陳したのですが、皆さんどういう反応をしていたかなぁ…正直、あまりおぼえてないんですよね。酔っぱらっちゃって。

でもあのメンツのなかには、最先端の教育サービスで働いている人もいるので、わたしの話を「新しいものを疑うありきたりな意見だなー」みたいに思った人も、いたかもしれません。

それは確かにそうかも知れませんね。あと、わたしの話は、あくまで塾業界(小中高)での話なので、狭い範ちゅうだったのは、間違いないです。教育といっても、最近よく聞くリスキングとか、教育は子供だけのものではないですからね。


…そして気が付くとわたしは、結婚式で他のテーブルにいたはずの人たちと、飲んでいました。(いつの間に合流したのか!?)


へんな教育論をかましたので、あの輪から追い出されたのかもしれません。

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